季節ごとのメダカとの付き合い方
このカテゴリーでは、季節に応じた飼育の仕方を月ごとに説明します。
3月の飼育
厳しい寒さも緩み、日照時間が長くなったと感じることができる季節です。
日中は暖かい日と寒い日を繰り返しながら3月上旬の飼育となります。
長く感じた冬のトンネルを抜け出し、寒さが厳しい日の割合がグンと下がります。朝晩はまだ寒さが残っていますが、日中は確実に2月との水温差を感じられると思います。
暖かい地方では、日中は15度を越える日も出て来るでしょう。
消化の良い餌を少しずつ与え、消耗した体力を取り戻させます。
3月も中盤になると、日中はほぼ水温高めで維持できますので、適度な餌で体力の回復に努めます。朝方はまだ10度には少し届きませんので、日中の給餌に重点を置きます。
最終的な決断は4月になってからでも遅くないのですが、種親選びの作業が楽しくて仕方ない時期です。
そして3月下旬はお彼岸を境に、明るい時間の方が長くなります。4月の繁殖期に向けて、しっかりと餌を食べさせたい時期です。
朝の水温も10度を越えるところも出てきます。そうなれば朝の給餌も解禁です。
天気に恵まれた日には、気が早い仔は卵を少しつけている様子を見ることができる日もあります。
3月は屋外での卵の孵化は、まだ難しいので、どうしても採りたい場合には、卵だけを室内の暖かいところに置いてあげるか加温すると、孵化も可能です。
4月の飼育
4月上旬は朝の冷え方も弱まり、日中は20度を超える日が多くなります。めだかもより活発に動きます。
桜前線が通った2週間後くらいに、彼らの恋の季節が本格的に訪れます。
4月前半は、その繁殖期にたくさん産んでもらうようにしっかりと餌を与え、体力をつけさせてあげたいところです。
本格的な産みが始まる前に、産卵床の準備もしてあげましょう。
地域によっては、4月の中旬には朝の最低気温が15度以上になってきます。オスがメスに求愛行動を行い始めます。
お気に入りのペアの選定を行うと良いと思います。
4月の中旬に産卵した卵が4月下旬には割れて、新しい命が誕生します。
たいていの地域では屋外でも卵が死ぬこともなく、無事に孵化できるようになります。
パウダー状の餌をこまめに与え、稚魚には餌を食べる癖をつけさせることを狙います。
孵化後1週間〜2週間の育て方が、とても大切だと感じます。
5月の飼育
4月に引き続き、親メダカがどんどん産卵をする傍らで、稚魚の孵化が続きます。
一年で一番忙しい時期かもしれません。特に水槽を何十本も管理している場合には、朝からフル回転だと思います。
4月に生まれた稚魚も幾分大きくなり、毎日の世話で忙しくもあり、楽しくもあると感じます。
個人的には、屋外飼育では一年のうちで4月下旬から5月が最も育成に向いた季節だと感じています。
急な冷え込みも少なく、軽めの過昇温対策で済みますし、気温・水温や日照時間という条件に恵まれる月です。
水換えをしっかりと行うという条件付きで餌を多めに与えると、稚魚の成長が加速すると思います。
夏採りを考えると、4月下旬から5月上旬にかけて生まれた仔たちの中から新しい親を選ぶことになるので、それを見据えた飼育を心がけています。
6月の飼育
4月と5月に生まれた仔たちを7月の夏採りを目指して、引き続き飼育していきます。
6月の後半から梅雨入りになるので、夏採りを狙っている場合、親候補を梅雨入り前に2センチ超のサイズを目標に育てています。
6月後半から7月前半は、屋外飼育で最も憂鬱な梅雨になります。
屋外飼育の場合、雨が降ると餌も与えづらいので、梅雨の時期には採卵は一旦止めています。
7月後半に夏採りを行う予定の仔たちの中から、お気に入りの仔を選ぶために、少しずつ親候補を意識して飼育しています。
6月末には、2.5cm〜3.0cmくらいまで、持っていきたいところです。
7月の飼育
梅雨が明けると、暑い夏がやってきます。
夏場の過昇温対策として、よしずやスノコの出番になります。
管理人宅ではスノコを使っています。
スノコの利点は以下になります。
よしずを使っていたのですが、試しにスノコに切り替えてみたところ、水温が2〜3度程度よしずよりも低くなりました。
これを受けて、少しずつスノコを買い増ししていきました。
よしずの弱点として、風で飛ばされて鬱陶しく感じる部分があります。
セットしては飛ばされ、またセットして。この風とのいたちごっこにスノコは終止符を打ってくれました。
よしずは1シーズンや2シーズン使うと老朽化して、その役目を終えますが、スノコはそれよりも長く使えます。長期的に見ると、コストはよしずとあまり変わらないと思います。
では、そんなスノコには弱点がないのか?という話になると、弱点はあります。
使わない秋冬春の時期には、邪魔になる
よしずと比較したとき、数少ない弱点になります。しかし大きな弱点です。
管理人宅では使わない時期には車庫に保管しますが、結構邪魔です。
置き場所を確保できるのであれば、よしずと比べた場合、デメリットはあまりないと思います。
上記を、選択される際のご参考にしていただければと思います。
遮光についてですが、完全に覆ってしまうと、太陽の光が入らなくなるので、7割〜8割くらいを覆います。
少し日が差しても、スノコであれば過昇温対策をしつつ、太陽光も取り込むことができます、
夏採りについては、4月から5月生まれの仔たちは、順調に育っているといつの間にか産卵が始まっています。
6月くらいから目をつけていた仔がいたら、お気に入りの仔に夏採りの親になってもらいます。
その親から夏に生まれた仔たちは、屋内加温で秋や冬の親になってもらったり、翌年の春の親になってもらったりします。
8月の飼育
夏真っ盛りで、庭のメダカたちにとっては一年で最も危険な月です。
過昇温対策は、万全を期して行います。
8月はお盆の時期が気温的には山場となります。
水温の目安としては、35度までに収めることができればベストです。35度まででしたら、メダカの体が慣れると餌も食べます。
高水温では餌食いが落ちるので、加減して与えます。
40度を超えても生きていますが、めだかは辛いと思います。
遮光することを忘れて外出し、昼に帰宅したら水温が43度まで上がっており、落ちる一歩手前だった経験があります。
そのときは氷水ですぐに冷やし一命はとりとめました。
夏採りはお盆まで。それ以降に生まれた仔たちは、屋外でしたらサイズアップが難しいので、秋になったら加温してあげると良いと思います。
柄物は厳しい冬を乗り越えると綺麗になると言われますが、それは越冬前にMサイズ(3cm程度)に育った仔たちに当てはまると感じています。
柄がキレイになるという越冬の恩恵を受けるのは、お盆までに生まれた仔だと感じます。
また、7月生まれと8月以降の生まれの子たちの成長速度も違ってきます。
お盆明けに生まれた子たちには、大きく育つ時間が少ないまま、寒い季節を迎えることになりますので、注意が必要です。
9月・10月の飼育
暑さも和らぎ気温のほうも、めだかにとって良い季節です。
屋外維持でサイズアップが見込めるのは9月〜10月上旬までです。
しっかりと餌を食べさせ、少しでも大き育てると良いと思います。
10月は、2ヶ月後に控えた冬を乗り越えるための体力をつけてあげる季節です。
特に注意することもなく、5月同様に、飼い易い季節です。
11月・12月の飼育
餌を与えても食べるようでしたら与えて良いと思います。
12月末には本格的に寒さが訪れますので、餌を食べてくれる間はしっかりと餌を与えます。
12月後半に訪れる最初の寒波に備えて、水槽などに冬の装いを施します。
12月に、調子が上がらない水槽がある場合には、屋内へ移動させると良いと思います。
屋内が難しい場合には、せめて軒下にでも移動させるとよいと思います。
万が一病気を患っている場合もありますので、観察はしっかりと行いたいところです。
水面からメダカを観察できない季節に進んでいきます。
1月・2月の飼育
人間同様、メダカにとっても過酷な季節になります。
1月下旬から2月の半ばまで、厳しい寒さが続きます。
秋のうちから体力をつけさせていた仔たちは、乗り切ることができると思います。
水槽の底に潜って、じっと寒さに耐えてくれますが、氷点下が数日続くようであれば、屋内への移動や、せめて軒下あたりに移動させてあげたいところです。
水槽に蓋を被せる、暗い色の水槽で維持する、できるだけ水量が多い水槽で越冬させるという対処をしてあげれば、彼らも頑張ることができると思います。
昼間の温度上昇や朝晩の冷え方などは、蓋をしている方が有利になります。
2月前半は引き続き寒さに警戒をしなければなりません。
寒さへの対策は1月と同じです。警戒レベルはMAXで。
2月も下旬になってくると幾分日中の寒さが和らぎます。
気温は低くても太陽が顔を出してくれていると、水面に浮かんでくる様子を見かけることもあります。
秋に貯めたエネルギーも残りわずか。消耗してしまう仔も出てくるかもしれません。
2月の下旬は春の足音が微かに聞こえ出す季節です。
まだ寒い日の方が優勢ですが、暖かい日も出てくるでしょう。
その後、寒さと暖かさの攻防も五分五分になってきます。
防寒対策はまだ解かない方が良いです。
冬の疲れが比較的軽く健康な仔たちは、4月の産みがかなり良いです。
冬を乗り越えることができたご褒美かと思うほどです。
そして春の足音が聞こえてくる3月上旬へと季節は進みます。